オススメの本

今月のブログはオススメの本をご紹介したいと思います。推理小説、エッセイ、歴史小説、マンガに分けて書きます。

 

推理小説

米澤穂信氷菓」角川文庫

京アニのアニメ「氷菓」の原作になった古典部シリーズの1冊目です。殺人事件や誘拐事件ではなく「日常の謎」を扱った青春ミステリーで、ライトノベルのようにスイスイ読むことができます。高校入学から時系列順に短編が並ぶ形になっていて、色々な日常の謎を解きながら高校生活が進んでいきます。古典部シリーズは今のところ6冊の本が出ています。高校生の男女が主人公の小市民シリーズ(5冊既刊)もオススメです。

 

コナン・ドイル(延原謙・訳)「シャーロック・ホームズの冒険新潮文庫

推理小説の王道のホームズものです。短編集の第1作目になります。古くから生き残っているだけあってホームズものは面白いです。19世紀後半のロンドンが舞台なので色々と古めかしいのですが、逆にその雰囲気がとても良いです。携帯電話もパソコンも自動車も無い、手紙と電報と馬車を使う時代です。その分トリックも込み入っていません。長編の第1作目は「緋色の研究」で、この作品でホームズとワトソン君の初対面の様子が描かれています。

 

アガサ・クリスティー(青木久恵・訳)「そして誰もいなくなったクリスティー文庫

ミステリーの女王と呼ばれるアガサ・クリスティーの作品で、タイトルを聞いたことがある方も多いのではないかと思います。タイトルの通り、登場人物が死んでいって最終的には全員いなくなってしまいます。読む前は「容疑者も含めて全員死ぬなんてどこかに無理な部分があるんじゃないか」と思っていたのですが、実際に読んでみると感動するくらいすごい作品でした。他にも、有名な「オリエント急行の殺人」や名探偵ポアロの短編集「ポアロ登場」もオススメです。

 

【エッセイ】

三谷幸喜「オンリー・ミー ー私だけを」幻冬舎文庫

三谷幸喜本人のイメージそのままのエッセイで、本人のことが嫌いでなければかなり笑えると思います。逆に、三谷幸喜のことが嫌いな人が読んだらストレスが溜まるかも...という感じもします。1993年に単行本が出た作品なので話題はかなり古いです。

 

東野圭吾「あの頃ぼくらはアホでした」集英社文庫

東野圭吾の中学生後半〜大学生までのエピソードが描かれているエッセイ本です。昭和の大阪の学生の生活がそのまま面白おかしく書かれています。不良の同級生や思春期や勉強に振り回されているところが面白いです。普通の学生生活とも言える内容を面白く書いているところに文章の上手さを感じます。

 

阿佐ヶ谷姉妹阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」幻冬舎文庫

阿佐ヶ谷姉妹のエッセイ本で、お姉さん(エリコさん)とミホさんが交互に文章を書いています。2人が書いた短編小説もそれぞれ1編ずつ入っています。6畳一間に同居する2人が時に小競り合いを起こしながら生活する様子が面白いです。2人の生活がお姉さんとミホさん両方の視点から見られるのも面白ポイントです。

 

森毅「数学受験術指南」中公文庫

京都大学の数学教授だった森毅さんが1981年に中公新書から出された本で、現在は中公文庫の方で販売されています。純粋なエッセイではないのですが、受験の気構えや採点者の気持ち、森さん自身の受験体験などが分かりやすく面白おかしく書かれています。タイトルから抱くイメージとは違って気楽に読める本です。大分古い本なので今とは違う部分もあると思いますが、大学教員って入試の採点にここまで注力されているのかと驚きました。大学受験の前に読みたかったと思った1冊です。

 

歴史小説

歴史小説については以前ブログで書いていたので、以下の記事をご覧ください。

bechi0226.hatenablog.com

 

【マンガ】

藤子不二雄Aまんが道」中公文庫コミックス版(全14巻)

藤子不二雄Aさんが、藤子F不二雄さんと出会った小学生時代からトキワ荘に住んで2年くらい経つ頃までを描かれた自伝的マンガです。トキワ荘の光の部分を描いたマンガとも言われ、朗らかにマンガに打ち込む様子が見られます。もちろん締め切りなどのマンガ家にまつわる苦労もたくさん出てきますが、2人で、時に仲間と力を合わせて困難を乗り越えていきます。続編として「愛…しりそめし頃に…」というマンガもあって、こちらは青春色が増していて恋愛の描写も強いです。

 

なもり「ゆるゆり一迅社(21巻まで既刊)

アニメ化もされている人気のある百合マンガで、かわいい女の子がたくさん出てきてソフトな百合が楽しめます。でも百合マンガというよりもギャグマンガと言った方がイメージに近いです。単行本を1冊読む間に何度も吹き出してしまう、今まで読んだ中で一番面白いマンガだと感じる作品です。

 

魚豊「チ。-地球の運動について-」小学館(第7集まで既刊、6月30日発売の第8集で完結予定)

天動説を信じることを強制するC教という宗教と、地動説を唱えて異端者扱いをされ迫害される人たちを描いた作品です。実際の歴史を基にしていますが、登場人物は架空の人物です。真理を追究しようとする異端者側の情熱が熱いです。作者の魚豊さんが「魂のあるマンガを描きたい」とおっしゃっていたのですが、正に魂のあるマンガです。僕は宇宙物理学を研究していたので、命懸けで真理を追究する姿に「物理学をやっていてよかった」「物理学をもっとやりたい」と心が燃え上がります。そして登場人物の情熱にとても心を揺り動かされます。

 

お気に入りの本をいくつかご紹介してみました。もし興味がわいた作品がありましたら、本屋さんやAmazonなどで立ち読みしてみて、お気に召しましたら買ってみてください。

 

最後に全然関係の無い話なのですが、以前に新型コロナのワクチン接種をしたときのことをブログに書いていましたので、3回目のワクチン接種のことを軽く書いておこうと思います。今月の3日にモデルナ製のワクチンの接種をしました。1回目と2回目はファイザーでした。すべて地元の自治体がやっているワクチン接種です。翌日から身体中が痛くなりましたが、痛みを感じ始めたときからロキソニンを飲んだので結構楽に過ごせました。発熱も36.9℃が最高で、大したことはありませんでした。薬に助けてもらって乗り越えるのがいいなと思いました。ご参考までに。