絶版が怖い

最近、本をたくさん買っています。ほとんどが物理に関する本です。本棚の積み本コーナーにはあふれるほどの本があるのですが、本屋さんに買いに行ったり、他店舗の在庫の取り寄せをお願いしたり、Amazonで買ったりとせっせと購入しています。理由はタイトルの通り、絶版が怖いからです。

 

買っている物理の本は主に物理学の歴史について書かれている本です。相対性理論量子力学の間の矛盾から超ひも理論の現状までを書いた本や、統計力学の成り立ちを書いた本などです。歴史の本の他にも相対性理論で勘違いしやすいところを集めた本なんかもあります。こういう本はあまり有名でない出版社から出ていることが多いです。なので、物理界隈で名著だと思われていても有名出版社から出ている普通の本の名著よりも増刷されることが少なく、絶版になりやすいです(教科書は増刷されたり新装版が出たりしますが)。そこそこ売れたらもうたくさんは売れないので増刷するときのリスクが高まり、何度も増刷する余裕がない出版社は次の本へと舵を切るからです。

 

本屋さんやAmazonの在庫をチェックしていて、在庫がなくなりそうなのを見かけると不安になります。この本は是非とも読みたいけど、読む時間ができたときに売っているのだろうかという気持ちがわいてきます。上記の統計力学の本は初版本があっという間に売り切れてすぐさま在庫なしになり転売ヤーが発生したので、積み本の山ができているのに在庫が復活したときに買ってしまいました。山本貴光さんの「気になったときに買っておかないと入手しそびれる」という言葉を思い出しました(※)。物理の本はそれほど売れる本ではないので価格が高いのが結構キツイです。どうしても読みたいものは確保できたのでよかったです。

 

ただ、本を買っていてありがたいなと思うのは、日本人の物理学者やサイエンスライターが書いた本や海外の本の翻訳本がたくさん出ていることです。翻訳本には新旧の有名な物理学者の本もあります。アインシュタインハイゼンベルク、ホーキングなどです。世間ではマイナーとされている分野の本を母国語で読めるということはとても幸せなことです。これは物理の教科書も同じです。これからも財布としっかり相談しつつ、読みたい本を買って出版社にお金を落とそうと思います。

 

山本貴光さんは何万冊もの蔵書を持っていて、今も本を集め続けている方です。山本さんと同居人の橋本麻里さんについて以下のブログを書いたことがあります。

bechi0226.hatenablog.com